MuseScore 2 の紹介
MuseScore 2 は本当に画期的なリリースです!最初のメジャーリリースであるMuseScore1.0が公開されてから4年以上経過しました。今回のリリースではこれまでの期間に皆さんから要望のあった新機能の追加や改善が行われました。
ユーザインターフェース
MuseScore 2 ではこれまでと同様に基本的で使いやすいインターフェースを維持しました。しかし、大幅に改善している部分もあります。スコアの閲覧と作成をわかりやすくするための新しいスタートセンター
、個々の音符や他の要素のプロパティへの容易なアクセスを可能にする インスペクタウィンドウ
、そして、よく使うスコア記号をまとめておくことができる カスタマイズ可能なパレット
機能などが含まれます。
また、MuseScore 2 ではスコアの連続ビュー
ができるようになりました。スコアの入力時に譜表の折り返しや改ページで譜表が中断されないようにする表示モードです。
編集ツール
MuseScore 2 にはいくつかの新しい編集ツールが追加されました。注目すべきなのは パート譜の抽出 機能です。アンサンブルスコアをパート譜に変換できるだけでなく、この機能で抽出されたパートはスコアの一部として保存することができます。また、パート譜と元のアンサンブルスコアは自動的に連動し、パート譜とアンサンブルスコアそれぞれの変更は相互に反映されます。
その他の新しい編集機能には、スコアに追加した後から書式を変更できるダイナミックテキストスタイル 、音符入力に利用できるピアノ・キーボードツールバー、, 状況に応じた柔軟性のあるコード記号 構文分析、 選択フィルタ のコピーと貼り付けをより詳細に制御、音高変更モード 、複数の楽器のスコア作成を容易にするためのパートに分解およびパートに集結コマンド 、拍子記号の制約から開放してくれる小節分割および結合コマンド 、一つの大きなワークスペースに複数のスコアを組み合わせることができるアルバム機能 など、さらに多くの機能があります。
新しい記譜スタイルと要素
MuseScore 2 の主な機能の一つに多種多様なタブ記譜法 のサポートがあります。ルネッサンス・アンサンブルを演奏するリュート奏者からロックギタリスト、マンドリン奏者に至るまで、必要とされている機能を満たすよう設計されました。他にもMuseScore 2ではスラッシュ表記 やリズミックスラッシュ表記 、ピアノのペダル変化記号、ギターのフレットダイアグラム 、フォール、チョーキング、数字付低音 、バグパイプ装飾とオープンソースのBravuraフォントにより非常に多くの音楽記号などが追加されています。
レイアウトに関する改善
基本的なスコアのレイアウトを調整してよりよい状態にするには非常に多くの苦労を伴いました。そこで、MuseScore2.0では過去のバージョンに比べ手動調整しなければならない箇所を減らし、そして、スコアの見た目は今までになく妥当でよりよい状態になりました。タイの長さや位置、臨時記号の積み重ね、連桁のグループ設定、声部間での音符衝突の取扱い、マーキングナンバーのデフォルトの高さなど、これらはすべて過去のバージョンやライバルである実際に販売されている楽譜作成ソフト比べ改良されています。
再生に関する改善
MuseScore 2 ではリアルな楽器演奏を実現するためにサウンドフォント のFluidR3が同梱されています。スコアの途中での楽器変更 や新しいフレキシブルなスイング設定 など、他の再生機能も同様に改良されています。さらに、クレシェンドやフェルマータ、トレモロ/ロール、モルデント、テンポなどの記号も解釈できるようになりました。また、MuseScore 2 はplayalongのためにメトロノーム やループコントロール を提供できます。※この機能はJACK が他のプログラムとの相互運用を実現するための改良です。
インポートとエクスポートの改善
MusicXMLとMIDIのインポート
とエクスポートが大幅に改良されました。また、MuseScore 2 ではGuitar Proファイルのインポートにも対応しました。これによりオンラインで入手可能な数多くのスコアを利用できるようになりました。
MuseScore 2 は他にもmp3形式のエクスポートや、他の文書などで挿絵として使えるよう、選択した範囲を画像としてキャプチャ できます。
ユーザ補助
MuseScore 2 にはいくつか新しい重要なユーザ補助 機能があります。今までにないNVDAスクリーンリーダー(視覚障碍者のための読み上げ)機能が追加されました。JAWSのように設定することができます。MuseScoreがインタラクティブな「スコアの読み上げ」を実現するため、メニュー、ダイアログ、ツールバー、スコアナビゲーションはキーボードとの親和性を高め、スクリーンリーダーに対応するように設計されました。現在はスコア編集中にすべてが利用できるわけではありませんが、盲目のミュージシャンが美しい見た目の楽譜を創ることができるよう、MuseScoreの将来のバージョンにわたりこの機能を改良を続けます。
ドキュメントと国際化
MuseScore 2はHTMLとPDF形式で利用できる詳細なオンラインハンドブック
を同梱しています(MuseScore 2 のインストールフォルダ内[Manual]フォルダの中にあります※2015.3現在英語版)。それ以外にも、ヘルプを確認したい箇所を選択したあとF1キーを押すと、オンラインハンドブックの該当の説明をWebブラウザで自動的に開きます。
また、MuseScore 2 のユーザインターフェースは50以上の言語に翻訳(一部のみ翻訳されているものも含む)されています。インターネット([ヘルプ]>[リソースマネージャ])から常に最新の翻訳を手に入れることができます。