ヘヤーピン はスコアで音量を緩やかに変化させるための記号です。クレッシェンド (次第に大きく) と ディクレッシェンド (次第に小さく) の2つがあります。
それに替え、次の方法も利用できます。
* 一連の音符、あるいは小節を選択して、パレットの記号をクリック(Ver.3.4 の前まではダブルクリック)
* パレットから記号をドラグし、譜線の上にドロップ
注: 同じ譜表の他の声部にヘヤーピンを同時に記譜したとしても望んだようにプレイバックされることはないのが MuseScore の限界 であり、プレイバック時の音量が有効な最小範囲 (Dynamic Range プロパティ) は譜表であり、声部ではありません。プレイバックを優先させるには、各声部を個別の楽器に分離します。
ヘヤーピン は プレイバックのプロパティ を持った 線 で、その 長さ の編集は:
そのヘヤーピンで 編集モード に入り、動かしたい方の端のハンドルをクリックします。
次のキーボードショートカットを使います。
この方法で 再生のプロパティ を維持したままクレッシェンド・デクレッシェンドを伸ばしたり縮めたりでき、また、小節線や譜表の折り返しを超えて利用できます。
ヘヤーピンの高さを変える
* 高さ のプロパティを調整するか、
* ヘヤーピンの開いている方の下側ハンドルを調整します。(下の図で青い表示の四角)
ヘヤーピンに加えて cresc. _ _ _ と dim. _ _ _ が同じ機能であり、線 パレットに用意されています。必要なら、テキストをインスペクタの 線のプロパティ セクションで編集できます。
ヘヤーピンを同等のテキスト線に変えるには
version 3.1 から、ヘヤーピンもテキスト要素と同じように、切り取り、コピー、貼り付けできるようになりました: 切り取り / コピー / 貼り付け コマンドのまとめ をご参照ください。
3.1 より前の version では、ヘヤーピンについてできるのはコピーだけです: 線をコピー をご参照ください。
ヘヤーピンのプロパティは、インスペクタの中で次のように編集できます:
MuseScoore の発展で目してきたのは、プレイバックと言うより記譜をサポートすることです。強弱記号が伴わなずにヘヤーピンを用いることは、現実の譜面では容認されていますが、MuseScore の中で求めるプレイバックを作り出すことができません。
ヘヤ-ピンによるプレイバックの音量の変化を作り出すには、次のいずれかの方法を使います:
* ヘヤーピン両端の音符に音量の差を作り(下の "望む音量を作り出す" をご参照)、その差がヘヤーピンの意味するところと違わないことを確かめます。
* (上述)"ベロシティの変化" の値を 0 以外にします。
望みの 音量 を作り出すには:
* 一般的なのは強弱記号を加えることで、時にはそれを インスペクタで非表示にする、例えば p crescendos f 、といった具合に。
* 音符の音量は主として MIDI ベロシティで決まるもので、スコアに記るされた 強弱記号 で指定されるのが最も一般的で、それが付された音符から始まり次の強弱記号までプレイバックに影響します。最後の終止線や休符が音量を既定値に戻すことはありません。強弱記号に影響を受けない音量の音符は mf (メゾフォルテ) として取り扱われて MIDI ベロシティは 80 となります。
望みのタイミングを作るには、ヘヤーピンの 長さを調整する アンカーポイントを作ります:
込み入った記譜ではこれは次のように取り扱いましょう:
Incorrect hairpins do not affect playback: 例えば f crescendo p といった不適切なヘヤーピンはプレイバックに反映しません。
全ての楽器に共通し、ヘヤーピンの影響を受ける各個別の音符は、その音符が始まる時点で ヘヤーピンを反映する。
MuseScore 3.1 以降
弦楽器、金管楽器など 短音での強弱 ができる楽器においては、その音符の範囲全体で音量の変化が生じ、さらに タイで結ばれた音符 も含まれます。シングルノートダイナミックスを使用 のチェックボックスのプロパティでオン・オフ切り替えができます。