標準譜表について、9つの 符頭スキーム の1つを選べます。
* 譜表の上を右クリックして 譜表/パートのプロパティ… を選び、高度なスタイルのプロパティ… をクリックして "符頭スキーム" のドロップダウンリストから選びます。
各スキームは次の通りです。
標準: 初期設定はこれであり、多くの人が利用しています。また MuseScore 1 と 2 は、これのみとなっています。通常の符頭が用いられ、符頭パレットかインスペクタで変更可能です。
音名: 符頭には自動で英語の音名が表示され、音高が変わればそれに応じて変化します。
ドイツ式音名: 上とほぼ同じですが、 B は H に、B♭は B となります。
ソルフェージュ式相対ド (トニック・ソルファとも言われます): ソルフェージュ式読みが符頭に表示され、スケールにより Si に代え Ti が使われます。
ソルフェージュ式固定ド: ソルフェージュ式読みが符頭に表示され、フランス、イタリア、スペインなどでは Ti に代え Si が使われます。
4形状 (Walker): 符頭は William Walker’s Southern Harmony (1835) 等書籍に記載されている4つの形状です。
7形状 (Aikin): 符頭は Jesse B. Aikin’s The Christian Minstrel (1846) 等書籍に記載されている7つの形状です。Ruebush & Kieffer Publishing Company 発行の書籍ではこの7形状が良く用いられています。
7形状 (Funk): 符頭は Joseph Funk’s Harmonia Sacra (1851) 等書籍に記載されている7つの形状です。
7形状 Walker: 符頭は William Walker’s Christian Harmony (1867) 等書籍に記載されている7つの形状です。
(符頭の形状についてその他の方法を調べるには SMuFL specification が参考になるでしょう。)
該当の譜表に設定された符頭の入力と編集について、次の例をご参照ください。
利用できる符頭の種類は、アドバンス ワークスペース の 符頭 パレットにあります。インスペクタ を経由しても得られます (下の 符頭種類の変更 をご参照ください)。
注: 符頭のデザインは選択しているミュージックフォント (Leland, Emmentaler, Gonville, Bravura, MuseJazz, Petaluma) によって異なります。パレットに表示されている2分音符は Bravura フォントのものです。
MuseScore は符頭の形状を各種サポートしています。
* 標準: 標準の符頭
* クロス符頭 (ゴースト): 打楽器のシンバルの記譜に使います。また、ギターなどの弦楽器で音を消したり打楽器の効果音を表すこともあります。
* ダイアモンド符頭: ギターやバイオリンなどでハーモニックス音を表すのに用いられます。
* スラッシュ: ギターのストラムなど、リズムを表すのに用いられます。
* 三角符頭 上向き/下向き: 打楽器の記譜に用いられます。
* シェイプ符頭: ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ
* 丸囲み符頭: 打楽器の記譜に用いられます。
* 大丸囲み符頭
* スラッシュ付き符頭: それを貫く斜めの線を伴った符頭
* プラス符頭
* 代替ブレヴィス: 古楽の記譜に用いられます。
* 括弧: 既存の符頭や臨時記号を括弧で囲みます。
スコアにある一つあるいは複数の符頭の 形状 を変えるには、次のいずれかの方法を使います。
* 符頭を選択し、パレットにある符頭をダブルクリック
* パレットにある符頭を、スコアの音符にドラグ
* 一つあるいは複数の音符を選択し、インスペクタ の中で、 音符 → 符頭の形状 のドロップダウンリストを使います (打楽器譜ではこの方法はサポートされていません)。
符頭の表記上 の長さを変更する必要がある場合 — 即ち、音符の実際の音価を変更することことなく、符頭の種類だけを変更 するには:
1. 一つあるいは複数の音符を 選択 して、
2. インスペクタ の 音符 → 符頭の種類 で、次のオプションの一つを選びます。
* 自動: 自動的、即ち 表記された長さ = 実際の長さ
* 全音符: 実際の長さに関わらず、全音符の符頭
* 2分音符: 実際の長さに関わらす、2分音符の符頭
* 4分音符: 実際の長さに関わらす、4分音符の符頭
* 倍全音符: 実際の長さに関わらす、倍全音符音符の符頭
異なる声部にある同じ音高の2つの音符が同じ拍に位置する場合、次のいずれかとなります。
* 二つの音符が一つの符頭を 共用
* 音符の位置をオフセットし、隣接 して表示
MuseScore は次のルールによって取り扱います。
* 符頭が同じ方向の符幹を伴う場合、符頭を共用しない。
* 付点を伴う音符は付点のない音符とは符頭を共用しない。
* 黒い音符と白抜きの音符は符頭を共用しない。
* いかなる場合でも、全音符は符頭を共用しない。
注: 同じ声部で2つのユニゾン音符が生ずる場合、常に隣接表示します。
次のどちらかの方法で、隣接表示から符頭共用に代えることができます。
* 音価の小さいほうの音符の符頭を選択し、キーボードショートカット V と使うか、インスペクタ の "表示" のチェックを外して非表示とする。
音価のちいさい方の音符に付点があるなどいくらかの場合には、この方法は使えないので、次の方法によります。
次の1つ目の例は、既定値により声部1と2の音符が符頭を共用しています。音符は全て黒丸で、付点ではないからです。
それとは違い、次の例では、白抜きの符頭は黒丸の符頭とは符頭を共用できず、右側に隣接表示されています。
符頭を共用するには、黒丸符頭を白抜きの符頭種類に変えるか、あるいは、ver. 3.5 より前であれば上に記載したように非表示にします。
共用する符頭を TAB譜 にペーストすると、隣の弦の異なるフレットに位置付けられる場合があります。それを修正するには、そのタブ譜上の音符を選択してキーボードショートカット V かインスペクタを使って "非表示" にします。