強弱記号
強弱記号 は音符やフレーズの相対的な音量を示す記号です。記号は、基本やアドバンス ワークスペース の強弱記号 パレット にあります。
追加の強弱記号が マスターパレット (Shift+F9) にあります。
スコアに強弱記号を加える
クレッシェンドやデクレッシェンドを加えることについては、ヘヤーピン をご参照ください。
スコアに強弱記号を適用するには、次のいずれかの方法を使います。
- 音符を選択して、パレットの強弱記号をクリック(Ver.3.4 の前まではダブルクリック)
- 強弱記号をパレットから音符にドラグ
*Dynamics actions プラグインを使ってキーボードショートカットを設定し、使用
注:
* パレットからの適用では既存の記号と置換しないので、まず手動で既存の記号を削除してから、前述のプラグインを使います。
- 一つの譜表の異なる声部に同時に強弱記号を適用しても、思った効果は得られないのが Musescore の限界で、これは (強弱記号の適用範囲 プロパティ) の最小適用範囲が譜表であって声部ではないことによります。プレイバックを優先的に考えるのであれば各声部を異なる楽器に分離することをおためしください。
独自の強弱記号を作成する
- 強弱記号をあなたの好きに編集します
- それを後々使えるように、好きなパレットに保存 (既存のスコアにある要素をパレットに加える)
テキストを編集
再生は表示されている内容には影響されませんので、ベロシティ― プロパティ を使います。
強弱記号はテキスト・オブジェクトであり、テキスト編集 同様に編集できます。また フォント もご参照ください。
テキスト編集モード にあっては、専門的な絵文字は 記号と特殊文字 から、あるいは次のショートカットを使って、加えることができます。
臨時記号 | Windows & Linux ショートカット | Mac ショートカット |
---|---|---|
ピアノ p | Ctrl+Shift+P | Cmd+Shift+P |
フォルテ f | Ctrl+Shift+F | Cmd+Shift+F |
メゾ m | Ctrl+Shift+M | Cmd+Shift+M |
リンフォルツァンド r | Ctrl+Shift+R | Cmd+Shift+R |
スフォルツァンド s | Ctrl+Shift+S | |
ニエンテ n | Ctrl+Shift+N | Cmd+Shift+N |
Z z | Ctrl+Shift+Z | Cmd+Shift+Z |
インスペクタでの強弱記号のプロパティ
選択 した強弱記号のプロパティを、インスペクタ の 強弱記号 セクションで編集できます。事前に編集したプロパティをスコアの強弱記号すべてに適用するには、プロパティの右にある小さい S の文字をクリックしてスタイルとして設定します。
注: 選択した特定タイプのオブジェクトに関する事項は、選択モード をご参照ください。
以下はインスペクタの 強弱 セクションにあるプロパティの一覧表です。
* 強弱の範囲: その記号の影響範囲:
* 段: スコアの全ての楽器
* パート: 一つの楽器 (その譜表の全部)、デフォルト設定
* 譜表: 声部に関係なく 1 つの譜表 (例: ピアノの片手)。 MuseScore 3.6.2 の時点では、このオプションは譜表 / パートのプロパティ: 単音ダイナミクス 再生メカニズムと互換性がありません。フォーラム を参照ください。
* ベロシティ: 0 ~ 127. 数字が大きければ出音は大きく、数字が小さければ小さい音。詳しくは 音の大きさ をご参照ください。
* ベロシティの変更: -127 ~ 127. 強弱記号を付した音符から次の音符への ベロシティ を変化させます。楽器の種類によってはこれは無視されます。より詳しくは SND をご参照ください。
* 速さの変更: ゆっくり、標準、速く。変化の速さは ベロシティの変更 に従います。その時点での店舗に影響されることはありません、既定値は 標準 です。
* スタイル: 使用するテキストのスタイル:既定値は 強弱記号 です。
* 配置: スコア上の位置で、譜表の上か下です。切り替えるには X を使います。
音符の音量
重要: 強弱記号をスコアに加えた時点で、その音符から次の強弱記号による指定まで、再生に影響を与えます。最後の縦線あるいは休符であっても音量を既定値に戻すことはありません。
シンセサイザー は音符をそれに指定された MIDI ベロシティ値に従って 0 (最もソフト) から 127(最大) までの音を作り出します。実際の音量の可能範囲は サウンドフォント クリエーターにより定まります。強弱記号はその ベロシティ のプロパティを使ってその時点の音符とそれに続く音符に対して基となる MIDI ベロシティを指定し、次の強弱記号が指定されるまで続きます。MuseScore 3.X にあって、MIDI ベロシティに指定される ベロシティ に何らの変更が加えられることはありません。MuseScore での良く用いられる強弱記号の ベロシティ については this table for default values で見てください。
強弱記号が全く指定されていない場合、そのスコア全体は mf となります。これは MuseScore が、強弱記号の影響を受けない音符に対して MIDIベロシティ 80 を適用することから来ています。なお、80 は mf (メゾフォルテ)に既定のベロシティです。
その音符自身 の ベロシティの種類 が "ユーザー設定" に設定されている場合には、その音符は強弱記号を無視します。これは、MIDIファイルからインポートされたスコアでは普通です。この状態を解消するには How to restore correct playback of dynamics and hairpins in an imported MIDI file をご参照ください。
また、MIDI ベロシティは 各音符 の ベロシティ と ベロシティの種類 のプロパティ、アーティキュレーションと装飾記号 (例:アクセント >、マルカート ^) と ヘヤーピン の影響を受けます。
以上、各音符の音量について記載してきましたが、より広く音量を調整することもできます。次のスライダーは音量に影響していますが、MIDI ベロシティには何の関連もありません。:
声部 毎の音量を調整することはできませんが、the Voice Velocity plugin を使ってその声部にある既存の音符の ベロシティ プロパティを調整することができます。
例えばドラムのタムを打つ音をより長く響かせるといったように、その音符の音を大きくより長く響かせたい場合には、シンセサイザーでリバーブ効果を加える をお試しください。
単音での強弱 / シングル・ノート・ダイナミクス (SND)
(After Musescore 3.1)
ゼロではない ベロシティ 変化のプロパティを伴う強弱記号は、楽器、シンセサイザー と サウンドフォント を適切に設定することで、アタック・エンベロープ効果(wikipedia) をシミュレートでき、その強弱記号をシングル・ノート・ダイナミクス(snd) と呼びます。なお、SND はソフトウェアーのさらなる発展によって 数種の異なる意味 もあります。SND は 速さの変更 プロパティ―を使います。
sfz (スフォルツァンド) と fp (フォルテピアノ) は特定の楽器で機能するようにデザインされており、例えば sfz はバイオリンには効果がありますが、ピアノにはありません。
参照
外部リンク
- 演奏記号/強弱記号 (Wikipedia)
- Add Dynamics by keyboard shortcut directly (Plugin)