コード記号
概要
コード記号は、音楽の和音とそのハーモニーを表す省略形です。
MuseScore は次の記譜をサポートしています:
- コード記号: アルファベット順のコード名とコードの質。 例 "Am"
- ナッシュビルナンバー システム (NNS): アラビア数字とコードの質。 例
6m
- ローマ数字分析 (RNA): ローマ数字とコードの質。 例 "vi"
コード記号をスコアに加える
コード記号を入力
- 開始する音符、スラッシュ音符、か休符を選びます。
- Ctrl+K (Mac: Cmd+K) を押します 。カーソルが譜表の上に位置され、入力できる状態になります。
- 次の文字を使用してコード記号を入力します。
- ルート音: a、b、c、d、e、f、g (コード記号の入力を終えると、小文字は自動的に大文字に変わります。)
- シャープ: # (ハッシュ).
- フラット: b (小文字の「b」)
- ダブルシャープ: x (小文字の「x」) か ## (ハッシュを2 つ)
- ダブルフラット: bb (小文字の「b」を2つ)
- ナチュラル: Ctrl+Shift+H を使うこともできます。
- スペース: Ctrl+スペース (Mac: Alt+スペース );
- その他の記号については下記 コード記号の構文 をご覧ください。
- カーソルを次のコード/休符/ビートに移動するには、Space を押します。 カーソルを移動する他の方法については、下の ナビゲーション コマンド を参照ください。
- Esc を押してコード記号モードを終了します。
コード名と臨時記号
コード記号を終えると、入力されたすべての文字が自動的に正しい形式に変換されます。小文字で入力された ルート音 は大文字に変わります (代替オプションについては、自動大文字化 を参照してください)。また、臨時記号 に入力された文字は、自動的にプロフェッショナルな字体に変わります。たとえば、"#" (ハッシュ文字) は自動的にシャープ記号 (♯) になります。 U+266F (シャープ記号 ♯) や U+266D (フラット記号 ♭) などの Unicode 文字を入力したり、コピー アンド ペーストしたりしないでください。MuseScore はそれらをコード表記で正しく可視化できないためです。
ナビゲーション コマンド
以下は、コード記号入力モードでカーソルを移動するために使えるキーボード ショートカットの概要です。
アクション | コマンド (Windows) | コマンド (macOS) |
---|---|---|
カーソルを次の音符、休符、または拍に移動 | Space | Space |
カーソルを次の拍に移動 | ; (セミコロン) | ; |
カーソルを前の音符、休符、または拍に移動 | Shift+Space | |
カーソルを前の拍に移動 | : (コロン) | : |
カーソルを次の小節に移動 | Ctrl+→ | Cmd+→ |
カーソルを前の小節に移動 | Ctrl+← | Cmd+← |
音価 の数値でカーソルを移動 | Ctrl+1-9 | Cmd+1-9 |
コード記号の入力を終了 | Esc | Esc |
コード記号の構文
MuseScore は、コード記号で使用される略語のほとんどを認識します:
- メジャー: M、Ma、Maj、ma、maj、Δ (三角形の場合は t か ˆ を入力します)
- マイナー: m、mi、min、-
- ディミニッシュ: 薄暗い、° (小文字の o を入力、Jazz スタイル を使う場合は ° と表示、その他は o、ギリシャのオミクロン)
- ハーフディミニッシュ: ø (0、数字のゼロを入力、Jazz スタイル を使う場合は ø、それ以外の場合は 0 (ゼロ) と表示されます)。 または、もちろん、mi7b5 などの略語を選択することもできます。
- オーギュメント: aug.、+
- 次の省略形も有効です。b9 または #5、sus、alt、および no3 などの 拡張形 や 変形。 C7/E などの 反転 や スラッシュコード。 カンマ; コード記号の一部か全部を囲む 括弧。
コード記号の編集
既存のコード記号は、通常のテキストと同じ方法で編集できます。詳細については、テキストの入力と編集 を参照ください。
ローマ数字分析を入力
Figured bass と混同しないように。
ローマ数字分析 (RNA) システムは、コードを大文字と小文字のローマ数字 (I、ii、III、iv など)、上付き文字、下付き文字やその他の修飾記号で表す音楽分析の一種です。調に関係なく、作曲のハーモニーを記譜し分析するために使われます。
注: MuseScore は RNA の正しいフォーマットを提供するために、専門のフォント Campania を使います。これは無料でオープンソースです。
RNA を入力する
- 開始する音符を選びます。
- メニューから、追加→テキスト→ローマ数字による和製分析を選びます。 または、環境設定; で同じことを行うキーボード ショートカットを設定します。
- 次のように、コードの RNA 記号を通常のテキストと同じように入力します。
- メジャーコード: 大文字のローマ数字
- マイナーコード: 小文字のローマ数字
- ディミニッシュコード: o (小文字)
- ハーフディミニッシェコード: 0 (ゼロ)
- オーグメントコード: +
- 分数コード: 1 桁の数字を 3 つまで入力します。一番上の音符を最初に入力してください。
- 臨時記号: シャープの場合は #、フラットの場合は b、ナチュラルの場合は h を入力します。 これらはすぐに適切な (そして上付きの) ♯ 、 ♭ や ♮ に変わります。臨時記号の入力 上記 を参照してください。
- _ 文字が翻訳されたり、上付き文字になったりしないようにするには、文字の前にバックスラッシュ "\" を付けます。 これは、たとえば、リテラル文字 "b"、"h"、ハッシュ記号 "#"、または上付きでない数字などを追加するために使えます。
- アルファベットa,b,c,dによる反転表記は上記の方法で作成できます。
- 64などの臨時記号のないアラビア数字を縦に並べた反転表記は 後述のRNAの例にある方法で作成できます。
- 縦に並んだアラビア数字に臨時記号を交えた例えば6#3の反転記譜は サポートされていません。代替の手順は代わりに Figured bass テキストを作るか、または、別のテキスト オブジェクトを作って、手動で所定の位置に微調整 します。
- その他の記号については 下の画像 をご覧ください。
- カーソルを前後に動かして、他のコードの記号の入力または編集を続けます。
- RNA が完成したら、Esc を押すか、スコアの空白部分をクリックして終了します。
RNA 入力は、コード記号と同じナビゲーション用のキーボード ショートカットを提供しています (上記 参照)。
RNA の例
次のように入力すると、
こうなります。
ナッシュビルナンバーを入力する
ナッシュビルナンバー システム(NNS) は、コード文字ではなく音階に基づいてコードを表す便法です。これにより、同じコード表を任意のキーで演奏できます。
ナッシュビルナンバー システムの入力を始めるには:
- 開始する位置の音符を選んで、
- メニューから、追加→テキスト→ナッシュビルナンバーを選択します。
標準的なコード記号と同じように、ナッシュビルナンバー システムを普通に入力することができ、MuseScore は記号を認識して適切にフォーマットするために最善を尽くします。標準のコード記号 (例: Space、上記 を参照) を入力する際のナビゲーションに使するショートカットは、ナッシュビルナンバー システムでも使えます。
コード記号を整列
スタイルメニューを使って
全ての コード記号 のデフォルトの垂直方向の配置は、スタイルメニュー、フォーマット→スタイル→文字スタイル→コード記号、で設定できます。
または、プロパティ パネルの 見た目 セクションから同じことを行うことができます。(デフォルト設定の保存と復元 を参照)
これによりコード記号の行が不規則になる場合は、(フォーマット→スタイル→コード記号 の Max shift above/Max shift below を変えて、記号を整列させてみてください。
プロパティパネルを使って
見た目 をクリックして "オフセット" 値を変えることで、選択したコード記号を揃えることができます。および/または プロパティ パネル の テキスト セクションで "整列" や "位置" を変更します。
コード記号を移調
移調楽器
移調楽器の譜表にコピーされたコード記号は、同じ小節で自動的に移調されます。たとえば、フルート パート (移調なし) から B♭ クラリネット パート (記譜された音より1度低い) にコピーされた A7 のコードは、B7 のコードに移調されます。
ただし、ギターのフレットボード ダイアグラムに関連付けられたコードは、自動的には移調されませんので、注意ください。
移調ダイアログ
移調 ダイアログを使うと、デフォルトでコード記号が自動的に移調されます。これが必要ない場合は、同じダイアログで "コード記号を移調" オプションのチェックを外すことができます。
カポのフレット位置
カポのフレット位置 プロパティは、スコア内のコード記号を (再生に影響を与えずに) 自動的に移調し、既存のコード記号の後に括弧で囲みます。目的は、カポ楽器で別の伴奏を提供することです。
適用するには、フォーマット→スタイル→コード記号 を選んで、カポのフレット位置 スピン ボックスで数値を入力します。
コード記号のスペルを変える
デフォルトでは、MuseScore はコード記号に文字名を使用します。他の音名スキームが使われている地域のユーザーは、スコア内のすべての コード記号 を変更できます。
コードスペリング システム
メイン メニューから、フォーマット→スタイル→コード記号 を選びます。次に、スペル セクションで次のラジオ ボタンのいずれかを選びます。
* 標準: A、B♭、B、C、C♯、…
* ドイツ語: A, B♭, H, C, C♯,…
* 全てドイツ語: A、B、H、C、Cis、…
* ソルフェージュ: ド、ド♯、レ♭、レ、…
* フランス語: Do, Do♯, Ré♭, Ré,...
自動大文字化
デフォルトでは、MuseScore は、大文字または小文字のどちらで入力されたかに関係なく、終了時にすべての音名を自動的に大文字にします。メイン メニューから、フォーマット→スタイル→コード記号 を選び、次のオプションから選択します。
- 小文字のマイナーコード: c、cm、cm7、...
- 根音を小文字に: C/e,...
- すべて大文字: DO、RE、MI、...
自動大文字化を完全にオフにすることもできます。この場合、音名は入力したとおりに表現されます。
Changing appearance of chord symbols
[To do]
- Font settings
- Style settings for appearance, scaling/offset
コード記号の再生を変える
再生を有効・無効に
再生コントロール の右側にある歯車アイコンをクリックし、コード記号を再生 を解除/選択することで、スコア内のすべてのコード記号の再生を無効/有効にできます。
プロパティ パネル の 一般 セクションで 再生 のチェックを外す/チェックすることで、選択したコード記号の再生を無効/有効にすることもできます。
再生をカスタマイズ
スコア内のすべてのコード記号のデフォルト再生設定は、フォーマット→スタイル→コード記号 の 再生 セクションで利用できます。 .
プロパティ パネルの _一般__ タブで、選択したコード記号の再生をカスタマイズすることもできます。
- 解釈: 表記の通り、ジャズ
- ボイシング: 自動、朱恩のみ、クローズ、ドロップ 2、6音、4音、3音
- 範囲: 次のコード記号まで、小節の最後まで、音価の最後まで
譜表にコードボイシングを生成する
MuseScore では、選択したコード記号から譜表にコードを生成できます。これらコードのボイシングは、コードの 再生設定 (上記) に依存します。
コード記号の選択を実現するには:
- コード記号を選びます。
- 選択範囲内のコードを右クリックします。
- コード記号を再現するをクリックします。
- オプション。"カスタム オプション" にチェックを入れ、必要に応じてオプションを設定します。
- OK をクリックします。
コード記号のプロパティ
コード記号に固有のプロパティ (つまり再生) は、上記の コード記号の再生を変える の説明の通りです。
その他の固有ではないプロパティについては、プロパティ で詳しく説明しています。
コード記号のスタイル
スコア内のすべての コード記号 のデフォルト プロパティは、フォーマット→スタイル→コード記号 から編集できます。
コード記号のスタイル メニューには、次の見出しが含まれています。
見た目
- スタイル: 標準、ジャズ、ユーザー定義 の 3 つのオプションが利用できます。
標準 スタイルでは、コード記号テキスト スタイルによって決定されるフォントを使用し、コード音は単純にレンダリングされます。
ジャズ スタイルでは、MuseJazz フォントが手書き風に使用され、独特の上付き文字やその他の書式設定特性を備えています。Jazz テンプレートのいずれかを使う場合、Jazz スタイルがデフォルトで選ばれます。
カスタム スタイル オプションを使うと、独自のカスタマイズされたコード記号スタイル ファイルを使えます (上級ユーザーのみ)。
- エクステンションスケーリング/モディファイアスケーリング: コード エクステンションまたはモディファイアのサイズに影響します。
- エクステンションの縦オフセット/モディファイアの縦オフセット: コード記号拡張または修飾子の垂直位置に影響します。
スペル
上記の コード記号のスペルを変える を参照ください。
配置
フレットボードダイアグラムまでの距離: フレットボードダイアグラムと上記のコード記号との間の距離
コードの最小間隔: コード間で許される最小距離
最大の縦線の距離:
Maximum shift above/Maximum shift below: 垂直方向の配置が不規則なコード記号を並べるために使われます。必要な外観が得られるまで実験してください。
再生
上記の 再生をカスタマイズ を参照ください。