声部
声部とは一つの音の流れ、あるいはパートであり、同じ譜表上の他の声部から独立したリズムを持つことができます。他の記譜ソフトでは、声部が "レイヤー" と呼ばれることもあります。
1つの譜表に4つまでの声部を使うことができます。ポリフォニーの小節では、声部1を上向きの符幹の音符、声部2を下向き符幹の音符とするのが普通です。
注: MuseScore での "声部" (1, 2, 3, 4) は、声楽でいうソプラノ・アルト・テナー・バス (SATB) といった "声の順" と異なります。SATB を一体とした スコアを作成する場合、上の譜表でも下の譜表でも声部1と2だけを使います。MuseScore での声部3と4は、同じ譜表に2つを超えるパートがないのであれば使う必要はありません。
声部を使うのは
- 一つの譜表で、一つのコード中で反対向きの符幹を使いたい場合
- 一つの譜表で、異なった長さの音符を同時に演奏したい場合
異なる声部に音符を入力するには
2つの声部にフレーズを記譜する方法を、次に示します。
-
声部1の音符を最初に入力: 音符入力モード にあって: ツールバーの声部1のボタンが青く表示されていることを確かめます。最初に、上の声部に音符を入力します。入力時、符幹が下向きになるものがありますが、2つめの声部を加えると自動的に反転します。
次の例は、声部1にのみ音符入力をした状態を表しています。:
-
カーソルを入力開始位置に戻す: 声部1の音符入力が終わったら、← キーを繰り返し押して音符毎にカーソルが移動し入力開始位置にもどります。; あるいは Ctrl+← (Mac:Cmd+←) を使えば一小節単位で戻れます。また、Esc を押して 音符入力モード を抜け、最初の入力位置の音符をクリックするという直接的な方法もありますね。
-
声部2の音符を入力: 音符入力モードにあって、入力する範囲の声部1の最初の音符が選択されていることを確かめます。 ツールバーの右にある "声部2" ボタン をクリックするか、Ctrl+Alt+2 (Mac: Cmd+Option+2) のキーボードショートカットを使います。下側の声部に音符を入力すると、下向き符幹で表示されます。
次の例は、前述の例に声部2の音符が加えられた後の状態を表しています。:
休符の削除と非表示
必要であれば、休符は全て見えない状態にすることができ、V を押すか、; インスペクタ の "表示" ボックスのチェックを外します。声部2、3、4の休符は削除することが可能ですが、通常はお勧めしません。それに替え、非表示とすのが良いでしょう。声部1の休符は削除できません。
削除した休符の復旧
声部2~4で休符を削除した場合、その声部のその拍に音符を入力する前であれば、復旧できます。ただし、(XML や MIDI ファイルでは問題を生ずるやも知れません。) 一番簡単な方法はその声部を声部1と2度交換することです。詳しくは、下の 声部の音符の交換 を参照ください。
声部の音符の交換
2つの声部間で音符を交換するには:
- 対象範囲の小節を 選択 し、;
- メニューバーから、[編集] → [声部] を選んで、;
- 交換したい2つの声部を表示されたリストで選ぶ。
注: (a) 選択対象はすべての声部ですが、一度に交換できるのは2つの声部のみです。(b) 選択したのが小節の一部分であっても、その小節全体が対象となります。
交換ではなく、音符を他の声部に移動
音符を交換するのではなく、他の声部に移動することができます。
- 音符入力モード にはいないことを確かめます。
- 移動したい音符の符頭を選択 (任意の声部)
- 音符入力ツールバー か Ctrl+Alt+1–4 (Mac: Cmd+Option+1-4) で移動先の声部を選択
注: 次の条件に合う場合に、移動を実施できます。:
- 移動先声部のコードがそこに移動する音符と同じ長さであること。
- 移動先声部が休符のみだある場合、移動する音符を収納できる十分な長さであること。
- タイ は使われていないこと。