譜表のプロパティ
譜表/パート譜のプロパティ のダイアログボックスを表示するには、譜表をクリックし、"譜表のプロパティ" を選びます。そこで 譜表 の表示の変更、チューニングの調整、移調、楽器の変更などを行うことができます。
version 2.1 の譜表プロパティ・ダイアログ
譜表には使用目的に応じて次の 4 つのタイプがあります。
1a. 標準譜 I.: 撥弦楽器を以外の楽器用の音階譜表
1b. 標準譜_II.: フレット・撥弦楽器を含む楽器用の音階譜表で、弦の数とチューニングのオプションが含まれます。
2. タブ譜: フレット・撥弦楽器用の譜表で、弦上のフレット位置を連続して表示します。弦の数とチューニングのオプションが含まれます。
3. パーカッション譜: 打楽器用の音階譜表
元の譜表がその 楽器 に適切に選択されたものであれば、楽器のダイアログを使って譜表のタイプを変更できます。例えば、標準譜をタブ譜に変えるには撥弦楽器でなくてはなりません。類似に、標準譜をパーカッション譜に変えるには元の譜表が打楽器に適切なもの、といった具合です。
譜表のプロパティのダイアログにあるオプションのほとんどは全タイプの譜表に共通ですが、1~2点、その譜表特有のものがあります。
譜表のプロパティに共通するオプション
次のオプションはすべてタイプの譜表に共通です。
- 譜線
- 譜表の譜線の数
- 譜表の間隔
- 2本の譜線間の距離で、スペース値(略語 sp)で表す。大きな値を設定すると譜線の間隔はより広くなり、値が小さければ譜線はより近くなります。2つの 標準譜 での初期値は 1.0 sp となっており、この値を変えることはお勧めしません (変えるなら、 ページ設定 で実際の sp 値を変更するのが良いでしょう。) 他の譜表タイプでは異なる値とすることもあり、タブ譜を例にすると 1.5sp の譜線間隔とするのが通常です。
- 譜表の上の余白
- 選択した譜表とその上の譜表の間の距離がスコア全体にわたって増減します。ただし、段の一番上の譜表には適用されず、レイアウトとフォーマット: スタイル → 一般... → ページ) の最小段間隔/最大段間隔で行います。
スコアの上で直接的にこの値を変えることができ、
1. Shift キーを押しながら、
2. 譜表の空の場所をクリックし、譜表を上下にドラグします。
注: 一つの段だけ譜表の間隔を変更したい場合には、 区切りとスペーサー を参照ください。
- スケール
- 譜表と関連要素全てのサイズを % で変更します。(スコア全体のサイズを調整は、メニューの レイアウト→ページの設定… の スケール で行います。)
- 非表示にしない
- いかなる場合もその譜表を非表示にしません。ここでの設定は レイアウトとフォーマット: スタイル → 一般... → スコア での "空の譜表を隠す" 設定に先んじます。
- 音部記号の表示
- 音部記号を表示するか
- 拍子記号の表示
- 拍子記号を表示するか
- 縦線の表示
- 縦線を表示するか
- 段の縦線を隠す
- 譜表の左端の縦線を非表示にするか
- 段が空でも非表示にしない
- 段の全てが空の倍でもこの譜表を非表示にしない。ここでの設定は レイアウトとフォーマット: スタイル → 一般... → スコア での "空の譜表を隠す" 設定に先んじます。
- 小譜表
- 小さいサイズの譜表にします。規定値の設定は、メニューから レイアウトとフォーマット: スタイル → 一般... → サイズ と進んで、行います。
- 譜線非表示
- 譜線を非表示にする
- 譜線の色
- カラーチャートを使って、譜線の色を変更します。
パート名
そのパートの名。 ミキサー と 楽器 ダイアログ (I) にも表示されます。
楽器名称
スコアの最初の段でその譜表の左側に表示される名称。その名称は version 2.1 であれば、テキストオブジェクト として編集ができる場合があります。テキスト編集 を参照ください。
楽器略称
スコアの後の段で、その譜表の左側に表示される名称。version 2.1 では、テキスト・オブジェクト として楽器略称を直接編集可能です。: テキスト編集 を参照ください。編集結果は スコア全体 に影響します。
使用可能な音高の範囲
環境設定→音符入力モードで "使用可能な音域外の音符に色を付ける" を指定していれば、この範囲外の音符はスコア上、赤く表示されます。
- 記譜されているピッチから移調する
- このオプションを使えば移調楽器の譜表を正しく記載できます。オクターブを含めて移調すべき音程を設定します。撥弦楽器では、このオプションを使ってカポタストを使用する場合の譜表を作ることができます。
操作矢印 (version 2.1)
譜表プロパティウィンドウの左下にある ↑ と ↓ のボタンを使えば、以前の・次の譜表に移動できます。
撥弦楽器譜のプロパティ: 特有のオプション
上記の共通オプションに加え、撥弦楽器の譜表には次の特有なプロパティがあります。
- 弦の数
- 楽器の弦の数を表示
- 弦の設定…
- このボタンでダイアログを表示させると、弦の数とチューニングの変更ができます。弦のチューニングの変更 をご参照ください。
高度なスタイルのプロパティ
高度なスタイルのプロパティ... ボタンをクリックすると、その譜表の高度オプションにアクセスできます。
以下の図で、譜表タイプ毎、どのようなダイアログであるかを示します。
標準譜:
パーカッション譜:
タブ譜 ー フレットの表示形式:
タブ譜 - 音価:
その他にボタンも用意されています。:
- テンプレート
-
作業中の譜表に適用可能な譜表のテンプレートが全て表示されます。
注: スコアは当初段階で、予め定義した17の雛形を元に作成されます。ここでいう雛形は Templates とは異なるものであり、標準が1つ、パーカッションが3つ、タブ譜が13 です。各ひな形は特定の目的に対し十分標準的です; 各雛形は他に影響することなく変更することができ、特定の目的をもった新たな雛形を作成することもできます。
- < テンプレートの設定にリセット
-
譜表プロパティの全てを選択したテンプレートのプロパティに設定します。
- テンプレートの追加
-
現在のスコアの設定を新たなテンプレートとして追加します。 (未だ導入されていない)
- OK
-
変更を適用して、ダイアログボックスを閉じます。
- キャンセル
-
変更を使わず、ダイアログボックスを閉じます。
標準とパーカッション譜に特有のオプション
- 調号の表示
- 調号を表示するか
- 加線の表示
- 譜表の加線を表示するか
- 符幹なし
- チェックすると、譜表の音符の符幹、符尾、連桁は表示されない。
タブ譜に特有のオプション
- 上下逆
- チェックしない場合、一番上のタブラインは一番高い音の弦を、一番下のタブラインは一番低い音の弦を表します (一番普通のありかた)。チェックした場合は、一番上のタブラインは一番低い音の弦を表し、一番下のタブラインは一番高い音の弦を表します(イタリア式リュートのタブ譜で用いられます)。
フレットの表示
フレットの表示 は、数字あるいは文字で指板上の音符の位置を表します。以下プロパティでフレットの位置の表示を定義します。
- フォント
- マークを記すのに使うフォント。現在、modern serif, modern sans, Renaissance, Late Renaissance の 4 つのフォントが使えます。将来、より多くのフォントやカスタムフォントが利用できるようになるかもしれません。
- サイズ
- 使用するフォントのサイズでポイント表示です。組み込まれているフォントには、9-10pt のサイズが良さそうです。
- 垂直位置
- MuseScoreは記号を然るべく取り扱うので、組み込みフォントを使う場合、この値は通常は不要(0設定)です。もしフォントが基線に沿わない(あるいは MuseScoreが想定していない方法で)記号を使っている場合、この値はその記号を、負の数のオフセットでは上に、正の数のオフセットなら下に動かして垂直位置を設定できます。値は sp 値です。
- 表示形式 - 数字/文字
- フレットの表示を数字 (1, 2 ...) あるいは文字 (a, b ...) のいずれとするか。文字を使う場合、j は飛ばして k を 9 番フレットとします。
- 表示場所 - 線に重ねる/線の上側
- 記号を弦の線に重ねるか、上側とするか。
- 線 - 接続/分断
-
弦の線がフレットマークに重なるか、分断するか。
数字のフレットマークで線を分断する場合の例
文字のフレットマークが連続する線に重なる例
上下逆のタブ譜で、数字のフレットマークを連続する線の上に表示する場合の例 (上の数字の例と内容は同じ)
- タイで繋がれたフレットの数字を表示する
- これをチェックしなければ、タイで繋がれた音符の最初の音符だけを表示します。もしちぇっくすれば、タイで繋がれた音符の全てを表示します。
音価
このグループのプロパティは、音価を示す記号の表示を定めます。
- フォント
- 現在は、modern, Italian tablature, French tablature の 3 つの異なるスタイルに合う3つのフォントが提供されています。将来、より多くのフォントやカスタムフォントが利用できるようになるかもしれません。音符記号のオプションがある場合にのみ、使用してください。
- サイズ
- 使用するフォントのサイズでポイント表示です。組み込まれているフォントは、15pt のサイズが良さそうです。音符記号のオプションがある場合にのみ、使用してください。
- 垂直位置
- 上記フレットマークに対するものと同じですが、記号の値が参照されます。音符記号のオプションがある場合にのみ、使用してください。
- 表記 - なし
- 音価は表示されません (上記例の通り)
- 表記 - 音符記号
- 音符の形の記号が譜表の上側に表示されます。このオプションを選択すると、音価が変わった場合だけ記号が表示され、同じ音価の音符が続く場合は繰り返されないのが既定値です。
音符記号が音価を示す例
- 表記 - 符幹と符尾
- 符幹と符尾・連桁が表示されます。通常の譜表に対するのと同じ方法で、どれぞれの音符の音価が表示されますし、そこでの連桁には標準の連桁パレットのコマンド全てを適用できます。
符幹が音価を表す例
- 反復 - 確認しない/新しい段/新しい小節/常に
- 同じ音価の音符が続く場合に、同じ音符記号を繰り返すかどうかとその機会。(表記を "音符記号" オプションとした場合にのみ、利用できます。)
- 符幹のスタイル - 譜線の外/譜線を貫通
- 符幹の線を、譜表の上もしくは下に固定した長さの線で描くか、あるいは、フレットマークに達するよう譜表を横切る線で描くか。(表記を "符幹と符尾" とした場合にのみ、利用できます。)
- 符幹の位置 - 上部/下部
- 符幹や連桁を譜表の上下どちらに描くか。(表記を "符幹と符尾" とし、符幹のスタイルを "譜線の外" とした場合のみ、利用できます。)
- 2 部音符 - なし/短い符幹/スラッシュ付き符幹
- 2 分音の符幹を 3 つのスタイルから選ぶ。(表記を "符幹と符尾" とし、符幹のスタイルを "譜線の外" とした場合のみ、利用できます。)
- 休符を表示する
- 休符も表示するかどうか。表示するとした場合、音符記号は低い位置に表示されます。(表記を "音符記号" とした場合のみ、利用できます。)
プレヴュー
スコアの一部を、現状のパラメーターを適用したタブ譜の形式で表示します。
楽器を変更
スコアのどこからでも、一つの楽器を違う楽器へ変更することができます。次の手順で、新しい楽器へ、音、名称、移調の有無が即座に設定できます。
- 小節の空の部分か楽器名称を右クリックし、 譜表のプロパティ... を選び、
- 右側中央にある 楽器を変更... をクリックし、
- 新しい楽器を選んで OK をクリックして譜表のプロパティのダイアログに戻り、
- OK をクリックしてスコアに戻ります。
譜表途中での楽器の変更 と混同しないように。